2018年7月14日(土)・15日(日)・16日(海の日)におこなわれた「サマースクール2018」の報告です。

(1)野原と小川の自然観察会

報告/ 横須賀「水と環境」研究会  高橋弘二

開催:2018年7月14日(土)10時10分~14時20分
会場:湘南国際村めぐりの森 野原と尾形瀬川上流部

担当:
NPO法人三浦半島生物多様性保全:天白
横須賀「水と環境」研究会:高橋、中村
We Love 自然ふれあいの森:飯塚(雍)、飯塚(浩)、小林、望月
おおくすエコミュージアムの会:野崎

事前準備

7月3日(火)下見と観察路等の草刈り

当日準備

活動助成金をいただいた(公)国土緑化推進機構の横断幕取り付け
受付机を設置、受付開始

観察会

工事用車道を通り“めぐりの森”へ。
①草笛、くずの葉鳴らしで遊ぶ
②カブトムシ(雄)発見、サナギの段階か・脱皮不良か、障害児の成虫だった。
③オタマジャクシ救出作戦
いつもの水溜りは干上がってオタマジャクシは死に至る寸前。近くに水が残っているところがあったのですくい取り、移してあげた。連日の猛暑、こちらも1週間持つかどうか。

ケヤキ広場から尾形瀬川へ
①カヤを刈った地上1m位のところに空の巣発見、ウグイスか?
②ケヤキ広場で小休止、子どもたちは木登り体験
③坂を下り切ったところで、また雄のカブトムシ発見。こちらは立派、写真を撮って放してあげると飛んでいった。

川の生き物観察の川の様子
①いつの豪雨か、上流からの土砂が流れ落ちてきて川の様子がすっかり変わっていた。
・観察地の上流側は一面クレソン畑となっていて、モンシロチョウが数頭飛び廻っていた。
・下流側の小川は一度土砂で埋まり、水が流れるところだけ幅数10cmの流れができていた。
②川にある小石、岩石の表面には微生物膜、苔は見られず、カゲロウ、カワゲラなどの水生昆虫はほとんど見られなかった。
③水中のカルシウムが析出た石灰で表面を覆われた枯れ草・枝、岩石がほとんどなかった。また以前、石灰で珍しい棚・皿状の水溜りができていたが、まったく見られなかった。

川の生き物観察
次の水生生物が採取できた。
サワガニ(大、小)、モクズガニ(中2)、ヌマエビ(抱卵も)、トンボのヤゴ(3)
ヘビトンボ、カゲロウ、ミズムシ、トビケラ、ヒメゲンゴロウ、アメンボ

感想

干上がったオタマジャクシを救出し、水が溜っていた所へ移したが、水がなくならないうちにカエルになって陸へ上がることを祈る。
この水溜り、少し広げて深く掘ったら、長い期間水が溜っている池にならないだろうか。

水生生物観察を行う尾形瀬川源流部が豪雨のため、すっかり様子が変わっていた。カルシウムの析出で出来る石灰で縁取られた棚・皿状の水溜りが消滅したのは惜しい。

尾形瀬川のめぐりの森境界フェンスの所の疑似鍾乳石?はどうなっているだろうか。オータムフェスタで確認したい。

水生生物採取では水生昆虫は少なかったが、中位のモクズガニが2匹、サワガニ、ヌマエビなどが捕れたこと、森では大きな雄のカブトムシも捕まえた(後で逃がしてあげた)ので、参加した親子は大喜び、めぐりの森に関心をもってくれたことと思う。

(2)環境カウンセラー養成支援講座 実施報告

報告/かながわ環境カウンセラー協議会横須賀三浦支部 高橋弘二

開催:2018年7月15日(日)10時10分~11時40分
会場:湘南国際村センター206号室
担当:かながわ環境カウンセラー協議会横須賀三浦支部
(自然ふれあい楽校環境カウンセラーグループ)
高橋弘二、中村修二郎、今井俊夫
受講者:1名

講座概要
環境カウンセラー申請書作成要領のアドバイス、「面接」での体験談や、課題論文の作成についても、実践的な講習をおこないました。

(3)森の自然観察会 実施報告

報告/おおくすエコミュージアムの会 野崎章子
          
日時・天候:7月15日(日)10時10分~14時20分、晴れ
会場:湘南国際村めぐりの森 子安緑地
集合・解散:湘南国際村奥の駐車場
参加者:家族6組14人(大人9人、子ども5人)と幼児1人
担当:
We Love 自然ふれあいの森:飯塚(雍)、飯塚(浩)、小林
おおくすエコミュージアムの会:野崎
森のKIKIこどもの家:鈴木

事前準備
・7月3日(火)下見と観察路等の草刈り ○天白、飯塚(雍)、飯塚(浩)、小林

当日準備
・活動助成金をいただいた(公)国土緑化推進機構の横断幕を取り付ける。
・受付机を設置、受付開始

観察会

⑴屋外駐車場に沿った野道を、子安緑地を目指して
・クズの観察、クズの葉で音を出して遊ぶ。
・小さなショウリョウバッタ、バッタ、キリギリスなども観察。
・ウルシ科の植物(ヌルデ、ハゼノキ)についての説明と注意。

⑵オオバヤシャブシの緑陰の小道
・アオスジアゲハ、モンキアゲハ、ジャコウアゲハの道案内で、蝶の道をゆっくりと進む。
・林縁のクワの低木にはヤマノイモ、オニドコロ等が絡みついている。

⑶アズマネザサの茂みをかき分けてマテバシイの二次林へ
・以前は薪炭林として機能していた森が、現在は太い株立ちの照葉樹林になっている。
・林床にはコクラン、ササバギンラン、タシロランと貴重種の確認ができたが、時期が早いのかクロムヨウランには出会うことはできなかった。

⑷鎌倉三浦名木50選の指定を受けている樹齢約350年のタブノキを見学
・このタブノキには、4年ほど前に樹木医の方達によって幹と枝の補強手当がされ、一昨年には自然ふれあい楽校が幹の周囲に観察用木道の敷設工事を行っている。
・タブノキに見守られながらのお弁当タイム。

⑸照葉樹林と雑木林の境界場所で、
・大人の参加者に、常緑樹、落葉樹、陰樹、陽樹、極相林などについてのレクチャーを行う。

⑹大楠小学校の植樹地を通り、急斜面の順路を下って「自然ふれあい広場」へ
・昆虫観察ではジンガサハムシ、数種のテントウムシが人気。ノウサギのふん探しも。

⑺野原と畑中の道を抜け、解散場所へ
・捕らえて虫かごの中に入れていた虫たちはよく観察をした後、草地に放してあげた。

感想

今年は観察ルートを短くし、子安緑地の中を時間をかけてゆっくりと観ていただくようにプランニングをした。幼児から高齢者までが参加される盛夏の自然観察会は、涼しい樹陰をゆっくりと散策し、ていねいな観察指導やガイド説明をすることで、参加者が十分に楽しんでくださる観察会になるのだと実感した。

植物、昆虫、野鳥と、各々のサポーターが自分の得意とする分野を担当して説明を加えることで、観察会は確実にレベルアップするのだと思う。
明日の「第7回三浦半島 森づくりフォーラム」“めぐりの森の自然環境調査ことはじめ”が、自然ふれあい楽校グループメンバーの観察指導力を磨く契機にもなると期待している。

第7回 三浦半島森づくり(フォーラム)学習会

(4)「めぐりの森の自然環境調査ことはじめ」

報告/おおくすエコミュージアムの会 野崎章子
           
日時・天候:7月16日(月・海の日)10時10分~15時30分、晴れ
会場:湘南国際村センター208号室、湘南国際村めぐりの森 
講師:鈴木茂也 氏(日本野鳥の会神奈川支部長、三浦半島自然保護の会代表)
受講者:17名:
神奈川県地域政策課調整グループ1名、横須賀市自然環境共生課2名、葉山・山楽会1名、環境ファミリー葉山1名、森と畑の学校1名、横須賀市市民活動サポートセンター1名、上山口小学校もと校長1名、自然ふれあい楽校グループ9名[飯塚(浩)、飯塚(雍)、今井、小林、高橋、中村、野崎、堀込、森、]

学習会の開催意図

「湘南国際村めぐりの森」では“みどり”の保全、再生、活用を目的としたいくつかの事業が協働参加型めぐりの森づくり推進会議によって2010年より進められています。しかし今日に至るまで、近郊緑地保全区域の中心にあって大楠緑地や子安緑地を擁するこの森の自然環境調査は殆ど実施されていません。

「湘南国際村めぐりの森」をどのような“森”に育て上げていくかを見極めるためには、今が調査を開始する最後の機会であると思われます。めぐりの森で活動をしている私たちにとって、より確実な調査のできるスキルを手にするための学習と実地体験の場として、今回の学習会が大きな役割を果たしてくれることを期待しています。

実施概要

準備
当初、予定をしていました横須賀市自然・人文博物館 学芸員の方々に面談、講師を依頼をし、準備を進めていましたが、参加申込の人数が少なかったため、フォーラムを、めぐりの森づくり活動関係者対象の学習会に切り替えて実施することとし、講師を依頼した方々に連絡し、事情説明、講師依頼の撤回を謝罪をいたしました。

当日準備
・会場づくり(机・椅子の設置、P.P映写準備、配布資料の用意、緑の募金ポスター・募金箱の設置)

学習会
10:30~12:00 (講座開始前10:10~10:25に学習会開催主旨の説明)

⑴鈴木茂也氏による講座「めぐりの森の自然を調べよう」
・調査の目的、調査の項目、調査の手法、観察記録の作成方法などについて。
・おすすめ調査(植物、昆虫、鳥類)
・二次林、ススキ草原再生で移植したい植物候補
・地元グループによる調査の長所などについて、大変ていねいに解り易くお話しくださり、受講者からの質問にも答えて頂いた。

調査候補地の見学会
13:00~15:30 (調査地が離れているため、4台の車に分乗して移動)

⑴植生回復途上の場所(自然遷移に委ねる場所)で
・ウグイス、ホオジロのさえずり個体分布調査
・トンボ、水生昆虫の調査
・植物のコドラート調査などの調査手法を実地に指導して頂いた。

⑵大楠緑地内の前田川源流域で
・斜面林の植生構成調査
・昆虫のベイトトラップ調査
・植物の小規模コドラート調査
・ウグイスの囀りパターンによる個体識別法についての手ほどきを示して頂いた。

[感想]
フォーラムを学習会に縮小し、講師の方々には大変ご迷惑をお掛けしたが、これから調査活動を始めようとする初心者の私たちには、理解しやすく、実働のためのヒントをも多く得ることができた学習会となりました。植物や昆虫の調査についても専門家に指導していただく機会を設け、分野ごとに調査チームをつくって、定期的に調査して調査結果を記録し、めぐりの森の将来の姿を見据えながら、自然ふれあい楽校の活動を続けていきたいと願っています。